h9803660ブログ

ネットワーク関連の技術検証のメモ、ネットワーク製品動向、投資のこと等を気が向いた時に書くかもしれません。

PaloAltoNetworks(PANW)2020年Q4の決算から見た製品の動向

自分用の決算メモおよび製品動向の整理

売上高、EPSはOKだったみたいですね。

決算概要

売上 $950M
粗利率(Non-Gaap) 74.3%
営業利益(Non-Gaap) 19.8%
EPS(Non-Gaap) $1.48

2021年ガイダンス

売上 $915M - $925M(対前年同期比19%-20%の成長) EPS(Non-Gaap) $1.32 - $1.35

製品の動向

自分は製品検証という観点では次世代FireWallPA-xxxシリーズしか触ったことがないのですが、 PaloAltoNetworksはセキュリティの他のジャンルも次々開発、買収をしています。 最初に触ったのは2011年くらいですかね・・・。 現在のPaloAltoNetworksは三本柱の製品群で構成されております。

STRATA

こちらが古くからPaloAlotoNetworksさんとお付き合いある方にはなじみ深いのではないかと思います。 いわゆる次世代FireWallPAシリーズをはじめとした製品群です。 製品群は以下のPaloAltoさんのWebサイトにあります。

次世代FirewallアプライアンスPAシリーズ、管理ソフトのPanoramaや標的型攻撃対策のWildFireやリモートアクセスのGlobalProtect等が このカテゴリです。他にも仮想版のPAシリーズであるVM-Serie等もこの中に含まれます。 69,000のユーザがPaloAltoNetworksの次世代Firewallを使っている(過去形も含む打と思います)とのことです。 台数ベースだとものすごい数が出荷されているはずです。トータルで数千万台ではないでしょうか?

docs.paloaltonetworks.com

PRISMA

PRISMAは今ものすごく販売攻勢をかけている分野。買収したRedLock社、Twistlock社、PureSec社のテクノロジーを結集したPrisma Cloud(CASB等の機能を提供)と SASE(SecureAccessServiceEdge)商材のPrisma Accessがあります。 今はSASEの分野はとても盛り上がりを見せております。SASEとはIT分野のリサーチ会社であるガートナーが2019年の後半頃に提唱したもので、ユーザーもしくはデバイスクラウド上のアプリケーション(例えばAWSやAzureといったクラウドやOffice365、Zoom、Slack等といったSaaS)に安全にアクセスするための プラットフォームです。クラウド上にPaloAltoの次世代FireWallが置いてあり、利用ユーザはクラウド上にあるPaloAltoの装置に接続し、 そこでセキュリティのチェックを行った上で、インターネットアクセス、SaaSアクセス、クラウドへのアクセスを実現します。

このSASEの分野はZscalerと競合する製品となります。違いとしてはCPE(Customer Premises Equipment)としてPAシリーズを自前で持っているため、 企業側のネットワークからクラウド側のSASEまでトータルでPaloAltoNetworksに面倒を見てもらえます。 ZscalerはCPE装置はエコシステムの戦略をとっており、他社の製品を使ってZscalerのクラウドに接続することになります。 これの良し悪しはケースバイケースなのでこの場での議論は止めておきます。 またPaloAltoNetworksのSASEもPaloAltoの製品を使わないと接続できないわけではなく、IPSec接続をサポートしていればサードパーティ製品でも接続は可能です。

japan.zdnet.com

また、この分野を強化するために2020年の4月にCloudGenixというSD-WANベンダーを買収しています。

www.paloaltonetworks.jp

2020年Q4の売上高の$90MはPrismaAccessとCloudGenixによるものとのことです。

また、PaloAltoNetworksは企業買収も積極的に行っている印象です。本日もこのようなニュースが出ていました。

jp.techcrunch.com

CORTEX

NTA(Network Traffic Analysis)、UEBA(User and Entity Behavior Analytics)、EDR(Endpoint Detection & Response)の機能が統合されていて ネットワークとエンドポイントのログデータを収集/分析/連携するCortex XDRという製品を展開しております。 他にもCORTEXにはエンドポイントセキュリティのTraps。 セキュリティ運用自動化,ワークフロー自動化のXSOAR等が含まれております。

www.paloaltonetworks.jp

cloud.watch.impress.co.jp

Next-Gen Security Billings

決算資料を見る限りこちらはCortexXDR、XSOAR、PrismaCloud,Access,VN/CN-Series(仮想版製品)と定義しています。 こちらはCAGR(年平均成長率)はFY18-FY20で97%、ほぼ倍々で成長しています。 今後も次世代FireWallのハードウェアを中心としたFirewall as a Platformの分野よりもNext-Gen Security Billingsの成長が見込まれているとみて間違いないでしょう。